


産業競争力強化・インフラ整備から地域の暮らし守る仕組みまで、幅広く質す
―ねぶた祭の接着剤供給問題から、データセンターの地域共生、エッセンシャルサービスの持続まで―
5月26日の参議院「経済産業委員会」で、産業競争力強化法等改正案の審議を通じて、青森県の暮らしや産業に直結するテーマを中心に幅広く質問しました。中東情勢による木工用接着剤の供給不安、大規模投資を支える税制とインフラ整備の課題、データセンターの地域共生とゾーニング、そして人口減少地域のエッセンシャルサービス維持まで、青森の現場の声を永田町に届けました。
◼︎ ねぶた祭の制作現場を直撃――木工用接着剤の供給不安
冒頭、中東情勢の緊迫化による原油由来ナフサの調達難が、青森ねぶた祭の制作に不可欠な木工用接着剤の価格上昇(約2割増)と供給不安につながっていることを指摘しました。ねぶた1台に約20kgが必要であり、秋以降の制作活動への影響が心配されます。
赤澤経済産業大臣は「ねぶた祭は日本の大切な文化」と受け止めた上で、「夏使用分は確保できていると聞き安堵しているが、秋以降も調達できるよう対応する」と答弁。供給量自体は確保されており、流通の偏りや在庫の留め置き、コミュニケーション不足による不安の増幅が問題の本質であることが示され、個別案件への対応を含め、あり得る手立てを尽くすとの言質を得ました。
◼︎ 官民投資ロードマップと大胆な投資促進税制
次に、「官民投資ロードマップ」の内容を分かりやすく説明するよう求めました。政府からは、造船を含む17の戦略分野・61の製品・技術について目標と政策手段の素案が提示されており、夏に成案化する予定であることが説明されました。
大規模・高付加価値投資を後押しする「大胆な投資促進税制」の対象要件(投資利益率15%以上、投資規模35億円以上)の根拠についても確認。単なる設備更新ではなく、賃上げにつながる高リスク投資を対象とする趣旨であり、建物と機械装置を一体的に支援できる点が従来の税制と異なるとの回答を得ました。さらに、半導体検査装置メーカー「日本マイクロニクス」が計画する241億円規模の設備投資がこの税制の対象となり得ること、補助金との併用も税制側としては可能であることを確認しました。青森県内の企業にも、こうした投資促進策を積極的に活用してほしいと思います。
◼︎ 大規模投資の「足かせ」――特別高圧電力の整備遅れ
半導体工場やデータセンターなど大規模投資では、4,000kWを超える特別高圧電力の契約から工事完了まで6〜7年を要することが、成長投資の障害になっていると問題提起しました。
電力の迅速供給に向けた対応策として、既存送電網を最大活用する「ウェルカムゾーンマップ」で早期供給可能エリアを示す取り組みと、今国会提出の電気事業法改正案による財政投融資を活用した大規模送電網への貸付制度の創設が示されました。一方、特別高圧電力(4,000kW超)の整備期間の短縮については、この日の委員会では政府から具体的な回答が示されませんでした。申請から工事完了まで6〜7年を要するという現状は、成長投資の大きな障壁です。引き続き具体的な対応策の提示を求めていきます。
◼︎ 産業用地不足の解消と工場立地法の規制緩和
8割超の自治体が「5年以内に産業用地が枯渇する可能性がある」と回答しているという厳しい現状を示した上で、空き産業用地のマッチング事業(2025年6月開始)の活用や、財政力の低い自治体が固定資産税減免を行った際の減収補填を機械・装置まで拡充する制度の意義を確認しました。
また、工場立地法に基づく緑地面積率の規制について、市町村が地域の実情に応じて裁量を持って引き下げられる特例措置を認める方針が示されました。具体的な引き下げ率は産業構造審議会での議論を経て決定される予定です。
◼︎ データセンターの地域共生とゾーニング問題
千葉県印西市での住民訴訟など、データセンターをめぐる地域トラブルを取り上げ、適切なゾーニングと法的位置づけの明確化を求めました。
赤澤大臣は「地域共生は極めて重要」と強調。2026年5月1日に日本データセンター協会が策定した「地域共生ガイドライン」を関係省庁と連携して業界へ周知し、遵守状況をモニタリングしていく方針が示されました。ゾーニングの全国的なルール整備は国土交通省所管の部分もあるとされており、行政全体での対応を引き続き求めていきます。
◼︎ GX戦略地域制度―青森は一次審査を通過
脱炭素電源を核とした産業クラスター創出を目指す「GX戦略地域制度」について、青森県が脱炭素電源活用型で一次審査を通過し、夏頃の認定を目指していることを確認しました。自治体単独での計画具体化や企業誘致には高いハードルがあるため、国が全有望地域と個別に面談し伴走支援する体制が整えられることも明らかになりました。青森の豊かな再エネ資源を産業振興につなげる大きなチャンスです。
◼︎ 人口減少地域のエッセンシャルサービスをどう守るか
青森のような雪国では除雪など必須のサービスが採算確保の難しい状況に置かれています。若者の大都市流出は「質の高い雇用の不足」だけでなく、生活の質の低下、すなわちエッセンシャルサービスの供給不足が大きな要因であると問題提起しました。
改正法案では、供給不足地域でのサービス持続に取り組む事業者を認定し、①需給ギャップの存在、②当該地域の供給不足解消への貢献、③必要な事業効率化の取り組みという3つの観点で評価するとの方針が示されました。金融支援による資金供給の円滑化、事業協同組合設立時の発起人要件緩和なども盛り込まれており、認定基準の詳細や効果指標については引き続き具体化を求めています。また、エッセンシャルサービスは多省庁にまたがるため、総務省を含む関係省庁との連携による制度運用が確認されました。
質疑動画のご案内
参議院インターネット審議中継のページで「2026年5月26日」と入力して検索し、会議一覧から「経済産業委員会」を選択すると、福士珠美の質疑をご覧いただけます。
質疑は動画の2時間17分頃から始まります。

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